GW JS チーム運営を支える 主務対談


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田原基数 J.S.K.S. / GW 山本和輝

日時:2016年11月2日(水) 18時30分~19時15分

場所:東京都内

出席者:
早稲田大学GWラグビークラブ
 山本和輝(4年生)
慶應J.S.K.S. クラブ
 田原基数(4年生)

聞き手:慶應J.S.K.S.クラブ
 坂井亮介(1994年卒)

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(坂井)   対談シリーズの第3回目『主務対談』を行ない、主務という立場を通じて、お互いのチームの違いや、苦労、やりがいなどを聞いてみたいと思います。

では、最初に自己紹介をお願いできますか?

 

(田原)   JSKS主務を務める田原基数です。ポジションはフランカー、今は怪我でプレーできておらず、主務に集中しています。今日は宜しくお願いします。

 

(山本)   GWRC主務の山本和輝です。今はウィングやっていますが、高校まではスクラムハーフで、ずっとバックスです。チーム内でのあだ名はトヤマです。富山県出身なのでそのままです。好きな言葉というか、最近チーム内で『主務道』という言葉が使われています。

 

(坂井)   いきなりのキーワードですね(笑)。『主務道』とは?

 

(山本)   いじりですかね。自分が主務としてのスタイルを持っている体で、主務らしい言動を取ると、回りから『さすが主務道!』と言われたりします。JSでもそういうのは無い?

 

(田原)   JSでも主務が具体的にどういった仕事をやっているのか、他のメンバーはあまり知られていないと思う。

 

(山本)   そこはつらいよね。でも、主務の仕事ぶりや言動が表に出てきた時に、それを『主務道』と言われています。

 

(坂井)   いじりだけじゃなく、そこには賞賛の意味も含まれているんだよね(笑)?

確かに主務に役割や仕事は、回りに分かってもらえていなかったりする。お互いのチームにおける主務の役割とは?

 

(田原)   JSの主務は、財務面で予算を組んだり、お金の管理、スケジュールの管理など。また、直接的に作業をやってくれている副務への指示や育成、OBとの連絡が主なところです。あまり目立つ仕事ではないし、何をしているか他の部員は分かってもらえないところもありますが、クラブを運営する上で、細かなところが見える立場。特にOBから大切なお金を援助頂いていることを実感し、その使われ方を把握することで、クラブがいかにしっかりとした基盤を築けているかを実感しています。それを学生に伝えることも主務の役割だと思います。下級生には理解がしづらいところかもしれませんが、ミーティングなどで伝えていくこと、クラブのシステムを理解してもらうことも、主務の大切な役割だと思っています。

 

(山本)   GWも仕事は被りますが、金銭面の管理は会計という役職がいます。あと、3年生の副務が、必ずしも主務になる訳ではありません。副務に動いてもらうというよりは、主務の補佐が副務で、お互い助け合っています。具体的には、練習場所の確保、対戦相手との渉外、OBとの連絡窓口など。チームの運営を包括的に見ている立場です。主務をやってみて、歴史の長いクラブなので、OBの支えを一番強く感じます。あと、プレーヤーとしてだけでなく、外から見たクラブを意識することもできるので、GWはこうあるべきだというものを感じて、道を正していく役割もあると思っています。

 

(坂井)   主務が、全ての庶務をできる訳ではないので、副務や女子マネージャーの手助けを得ながら機能させる必要がありますよね。副務や女子マネージャーのサポート体制はどういった感じですか?

 

(山本)   副務は2名体制です。女子マネージャーは4年生のマネ長がリーダーで、会計やクラブ委員担当以外の女子マネにも、色々な仕事を手伝ってもらっています。

 

(田原)   JSでは、主務は全体のマネージメントや指示を出す立場となるので、実務に手や足を動かすことは副務に任せています。そのため、3年生で副務に就いたあと、4年で主務という流れになります。女子マネは少ないですが、円滑にやっています。

 

(山本)   それはいいやり方だね。GWは主務と副務の業務の区分けが明確ではありません。主務がまずは動いて、できないところを副務にサポートしてもらう体制。もう少し役割分担ができればいいかもしれません。自分も含めて、必ずしも3年の副務が4年になって主務になる訳でもないので、仕事の引継ぎは課題ですね。

 

(坂井)   お互いのやり方を参考にしつつ、よりよい体制作りができればいいですね。

主務は仕事に加えて、プレーヤーでもありますね。両立はすごく大変だと思いますし、それはクラブチームならではだと思います。どうでしたか?

 

(田原)   主務や副務が、練習時間以外で時間が取られるのは間違いありません。やっぱりそこは辛い。みんな練習終わったら帰るけど、そこから仕事があったりもする。でも、プレーヤーとしてだけではなく、その他のことにも労力を割くことで、チームに貢献しているという気概は持っています。ラグビーをプレーしたくてJSに入ったので、プレーをしながら主務を行なうことには納得はしています。たまに不満を感じることもありますが、それに見合うだけのことを吸収できることもありますし、自分自身成長できたと思います。プレーヤーとしてだけでは体得できなかったことは多いですね。

 

(山本)   やっぱり、自分は第一にプレーヤーでありたい。それに加えて主務もがんばる。試合前にも事務作業あり、自分の準備に時間を割けないなどの弊害もありますが、主務をやってこそ得られた経験もあります。自分のGWでの活動に活かされていますし、どちらかをおろそかにせず、どちらもがんばることで成長できました。

 

(坂井)   お互い成長という言葉もあり、苦労のしがいがあったということですね。

では、少し下世話ですが、主務をやったことでの役得はあった?

 

(山本)   合宿の時の部屋割りなど、男気部屋、キャプテン部屋など、配置は自由に決められました。自分は風呂に行きやすい部屋にするなど、手回しをしたり。田原君もそういうのあるでしょ?

 

(坂井)   もっと物欲的なことでもいいですよ。

 

(山本)   OBにご飯をご馳走になった回数なら、僕らが一番ですね(笑)。

 

(田原)   僕もそれを思っていました(笑)。あとは多くの社会人の方々と会える。色々と裁量権があることでいいこともありますが、社会に出ている大人と話せることはいい経験だと思います。

 

(山本)   OBとメールのやり取りをすることで、メールのHOW TOを学んだりして、就活にも活きました。

 

(坂井)   主務はOBの方と接する機会が特に多いし、OBの年齢層が幅広いのはお互いのクラブの特徴ですね。その経験はきっと活きてくるでしょう。他にも例えば女子マネと話したり、接する機会が多かったりするのも役得では?

 

(山本)   残念ながら、主務だからといって、女子マネから人気がでたりすることは無いですね(笑)。

 

(田原)   仕事で連絡取る機会は多いですが、役得なのかな??

 

(坂井)   シーズンはまだ残っていますが、主務の仕事でやり残したことありますか?

 

(田原)   すぐには思いつきませんが、今年感じたお金の苦労を、来年の予算作成に活かしたいと思うので、そこは次の代にしっかり引き継ぎたい。

 

(山本)   自分も関与して今年始めたことに、JSKSとの定期戦があります。来年以降に継続していくことが大切なので、そこをしっかりと引き継ぎたい。

 

(坂井)   今年の4年生の雰囲気はどうだった?

 

(田原) 今年の4年生の人数は少ないですが、チーム全体に目を届かせることに気を使いました。キャプテンはキャプテンシーもあり、プレーも熱い。彼を中心にまとまっていると思います。

 

(山本)   GWも今年は少ない代ですが、キャプテンとバイスが引っ張ってくれています。年々練習にストイックに取り組むプレーヤーが増えてきた様に思いますし、自分達もそうなれたと思います。特に今年はクラブ選手権3連覇が掛かっており、過去2年に比べてもそこを意識して取り組んできました。モチベーションにはなったのですが、キャプテンやバイスを中心に大きなプレッシャーでもあったかもしれません。仲は良いです。

 

(坂井)   まだシーズンの途中で聞くのも申し訳ないですが、来年のチーム、主務に期待することあれば教えてくれますか?

 

(田原)   来年の主務には、細かい人間関係に気を使えるようになって欲しいですね。モチベーションが下がっているメンバーがいれば気付いて、声を掛けたり。チームへの期待は、今年下級生が活躍しているので、チーム力の面では来年以降もすごく期待しています。JSKSはここのところ少し低迷していましたが、今年は今現在2勝できている。強くなってきているので、来年以降もどんどん勢いを付けていって欲しい。

 

(山本)   誰がなるにしろ主務にはよりラグビーをやりやすい環境を提供し続けて欲しいですね。チームとしてはラグビーに一生懸命取り組んで欲しい。チームとして目標掲げるのも大事だと思います。

 

(坂井)   キャラクターもあるかもしれないが、下級生への気遣いみたいなものは、主務の仕事になるのかな?

 

(田原)   キャプテンやバイスはチームの強さを求める立場ですね。主務は第3者的な視点でクラブを見られるので、色々な気付きを持てると思います。自分がそうなれているとは言い切れませんが、主務を務めた先輩達は温厚で、細かなことに気配りができる人でした。後輩とも事務連絡などでコミュニケーション取りやすい立場でもありますし。

 

(山本)   クラブチームは、体育会とは違うので、ラグビーに対する熱量や打ち込み方は人それぞれ。キャプテンやバイスは突き進んで、それを後ろから支えるように、気を遣えたらいいと思います。

 

(坂井)   すばらしいですね。

今年GW/JSKSの定期戦を復活します。これまで話を聞くと、やはりお互いをライバルとして意識していなかった様ですが、二人から見たお互いのチームのイメージは?

 

(山本)   正直、JSが宿敵だという思いは一切ありませんでした。定期戦を実施すると聞いて、モチベーションアップが大切だなとまずは思いました。

 

(田原)   GWには3年間勝ったことがなく、ただ強いチームというのが印象です。ライバルという認識はありませんでした。

 

(山本)   クラブ選手権での試合では、僅差の敗戦となり、すごく悔しい思いを持ちました。これでGWは定期戦に向けてスイッチが入ったと思います。今はそれがモチベーションです。

 

(田原)   春のシーズンや夏合宿ではGWに負け、クラブ選手権で勝ちました。定期戦でヒートアップするにはどうしたらいいかと思っていましたが、結果的に今の状況がそれを生み出してくれました。これまでの流れを考えると、バチバチした試合を迎えられるのではないかと思います。

 

(坂井)   その思いはいいね。遠方から応援に来てくれるOBも居るほど、OBも盛り上がっていますよ。いい試合になりそうですね。定期戦の準備もがんばってくれてありがとう。

二人はあと半年で社会人ですね。抱負を聞かせてくれますか?

 

(山本)   仕事つらいわーとか、学生に戻りたい、と言うような社会人にはなりたくないですね。主務として、OBの蓮井さん(‘86年卒)と接してきましたが、仕事でも充実していたと聞くので、自分も同じように仕事も楽しめるようになりたいです。

 

(田原)   賛同ですね。今までは、努力に対して信心深く、努力すれば報われるという思いでやってきました。一度きりの人生だし、つらい事もあるでしょうが、楽しんで前に進んでいきたい。こういう男になりたい、という具体的なビジョンはないですが、仕事も楽しんで、プライベートも楽しんで、という社会人になりたい。実は、僕も主務として接してきたOBの籾山さん(‘86年卒)の様になりたいと憧れています。

 

(坂井)   二人とも指導を受けてきた人ですね。それこそ『主務道』として、厳しい言葉もあったのでは?

 

(田原)   確かに過去の主務の仕事とは違うことを求められたり、指導されることもありました。でも、OBからすれば、今年のチームはしっかりしていると思って頂けるはず。主務の姿を叩き込んでくれたのは、これからの自分にもJSKSにもつながる。ありがたく思っています。

 

(坂井)   え~、そこまでやるのというのは無かった?

 

(田原)   色々ありました。でも、最初言われたときには分からずとも、よくよく考えるとなるほどと思うことばかりです。例えば夏合宿では、夜中に到着するOBをホテルの玄関で迎えるとか。

 

(山本)   僕は爆睡してたけど(笑)。

 

(坂井)   では、山本君の『主務道』の師匠は?

 

(山本)   自分の『主務道』は、自分の人生において形成されたものですね(笑)。以前違うサークルで活動していた時に、裏方の仕事を管理して、そういったところで培った経験でもあります。基本的にはGWの方々は、『がんばってるなぁ』と声を掛けて頂いたり、主務に対してやさしくしてくれます。ただ、主務であるからこそ、対外的な立場で、理不尽な経験もすることはあります。それはそれでいい経験だったと捕らえていますし、OBからもそう言われます。

 

(田原)   謝った回数は誰にも負けていないよね(笑)。

 

(坂井)   主務という立場を通じて、二人とも経験を積んで、人間的にも成長しているということですね。

 

(山本)   定期戦にかける思いを聞かせてくれる?

 

(田原)   今までライバルとして意識していなかったGWだけど、今回長い歴史のあるライバルだということに気付き、定期戦を盛り上げたいという気持ちは大きい。やるなら勝ちたい、勝ちたいなと。単純だが、それが素直な気持ち。

 

(山本)   GWも秋のリベンジだと思っている。正直GWも伝統とかライバルとかは感じていなかったけど、定期戦を実現することに主務の立場で携わってきて、改めて伝統を意識することができた。ライバルがいて困ることは絶対ない。これを機会に、JSをライバルとして意識し、モチベーションを上げる。もちろん勝つことは大前提。

 

(坂井)   定期戦は1年に1度。今年の勝敗が、お互いに来年の定期戦に向けたモチベーションになってくれればいいと思うし、それが積み重なってまた伝統が復活するものと思います。

 

(山本)   定期戦復活の取り組みを通じて、JSの同期と仲良くなれたのは嬉しかったです。

 

(田原)   それは僕も同じです。

 

(坂井)   このつながりは財産ですね。社会人になっても是非連絡を取り合って欲しい。

 

(山本)   近い業界だしね。社会人になって次に会った時に、お互いどうなっているかな(笑)?

 

 

【インタビュアー あとがき】

今回の対談では、縁の下の力持ちでありながら、普段はあまり日の目を見ない主務の大変さとやりがいという点にフォーカスし、そこに両チームの特徴が現れればという視点でインタビューを行ないました。GW・JSKS定期戦の企画立ち上げ開始より、何度も打合せで顔を合わせている二人でもあり、最初から和やかな雰囲気でしたが、一方で、秋のシーズンも深まる中、対談でも触れている通り、定期戦に向けてGWはリベンジに闘志を燃やしており、またJSKSも強いGWともう一度真剣試合を行なう緊張感を持っていることが感じ取れ、主務であると同時に、プレーヤーとしての意気込みも感じました。シーズンも残り僅か、終わった時には、改めてお疲れ様でした、と伝えたいです。

以上